栃木県北部にそびえる那須岳の周りにはたくさんの温泉が湧き、温泉施設には毎日たくさんの人が訪れています。 「北温泉旅館」もその一軒。ひとつの旅館だけで温泉地を構成する、いわゆる「一軒宿」です。 周囲では一番の秘境にあり、駐車場から400mほど歩かないとたどり着けません。 そのせいか温泉場全体が別世界のように、素晴らしい雰囲気に包まれています。
大量のお湯を掛け流す贅沢な秘湯として温泉マニアに愛されてきましたが、数年前「テルマエ・ロマエ」のロケ地となったことで一躍有名になりました。 大きな天狗の面が飾られた内湯は、印象に残っている方も多いでしょう。 この旅館には源泉が3種類、お風呂が7種類あり、なかでも大温泉プールはちょっと普段とは違う温泉の楽しみ方ができます。
江戸時代からずっと同じところで営業していて、なんと建物の一部は150年以上前のままだとか。 木造3階建ての建物はたくさんの修理や改築を経ており、内部はまさにカオス状態。方向感覚があっても、迷路のように感じます。 館内を温泉が流れていたり、階段やスロープの五差路があったり。
充分に文化財といえる建物ですが、認定されると修理に許可が必要になるために、申請していないそうです。 今後もいろいろと手を加えながら使い続けられることでしょう。