日本を代表するクラシックホテル、富士屋ホテル。
明治中期の建物に現在でも宿泊できる宿はとても珍しい。
2020年完成したリニューアルを機に、徹底調査!
3号館の歴史
大正 9年(1920)12月20日 冷蔵庫室の転用により竣工(115~119号室)
大正12年(1923) 震災、当初から温水暖房のため煙突被害はなし
昭和31年(1956) この年の時点で全5室に浴室あり
平成元年(1989) 116~119号室取り壊し
令和2年(2020) 改装
3号館の詳細
木造三階建
二階外壁:亜鉛引鉄板張
三階外壁:漆喰塗大壁
小屋組:和小屋・トラス
屋根:入母屋・桟瓦葺
二階床面積:115.06㎡
三階床面積:74.2㎡
大正 9 年に冷蔵庫室の廃材を再利用して建設された。廃材利用によって様々な形の窓が入り混じっていた。
間取り図からすると、竣工当時から浴室が設置されていたようである。
昭和 31 年の料金表では 2500 円となっており、本館の風呂付き客室と比べると割安な設定だったようだ。
あまり人々の目に触れる位置になく、写真が少ない。
平成元年には大部分が取り壊され、1 階と 115 号室のみが残された。
1,2 号館と同じ扱いを受けており 3 号館という名称は消えていたが、
その場所や 115 号室という少し飛んだ数字から違和感を与える存在であった。
平成の大改装では続番になり、3 号館であった名残は場所に残るのみとなった。
改装前後を写真で比較する
大改装前 | 大改装後 |
北側(2018/3) | 北側(2020/9) |
南側(2016/12) |
階段(2020/9) |
間取り図(2020/9) |
部屋・間取り
2階
竣工時(1920)の間取り(推定) | 大改装前(2018)の間取り |
2 階にはもともと 3 部屋存在した。3 号館の廊下に面する部分は北から 1 間半ずつそれぞれ
115 号室入口、壁、1 階からの階段、押し入れ、3 号館 3 階への階段、3 号館 2 階奥への廊下
といった風に忙しい見つけであったようだ。
116 号室の下は半分ピロティ構造であり、117 号室は石垣の上に載っているいわば一階であった。
1989 年には 115 号室以外が取り壊され、断面はなまこ壁となった。
このとき 115 号室と階段が残り、奥へと通じる廊下は物置となった。
1 階と 2 階を結ぶ階段はほとんど使われていなかった。
大改装前(2018)の間取り | 大改装後(2020)の間取り |
3階
竣工時(1920)の間取り(推定)
2室のみの小規模なフロア。
昭和末期まであった割に全くと言っていいほど記録がなく、不明な点が多い。
旧番号 | 旧分類 | 旧バスタブ | 扉上窓 | 新番号 | 新分類 | 建設年 |
115 | DX | 固定 | × | 35 | TW | 1920 |
116 | ネコ | ? | 解体 | 1920 | ||
117 | ネコ | ? | 解体 | 1920 | ||
118 | ネコ | ? | 解体 | 1920 | ||
119 | ネコ | ? | 解体 | 1920 |
DX…Deluxe Twin | TW…Historic Twin |